動画で話したこと

リールでは、ここまでを話しました。ミサイルの誘導にも使われてきた式で、ライオンの曲がり方を説明できたという報告があります。ただし調べたのは、米国フロリダの観光サファリ施設で飼われているライオン6頭です。追いかけた相手は、機械で引く紙のおとりでした。比べた3つの式のうち、2つを混ぜた形が走った跡に一番よく合ったと報告されています。

短い動画で話せたのは、ここまでです。この記事では、その先を書きます。何を、どうやって測ったのか。「一番よく合った」とは、何と何を比べた話なのか。そして、この研究で何が言えて、何が言えないのか。研究についての数字や事実は、論文の本文に書かれていることだけをもとに説明します。

何を、どこで、どうやって測ったか

動画の「飼育下の6頭」は、実際にはこういう作りの実験です。

  • 対象:成獣のライオン6頭。メス3頭とオス3頭で、年齢は2〜12歳です。米国フロリダ州の観光サファリ施設の、1.3ヘクタールの放飼場で飼われています。オスとメスは別々に飼われていて、試行はオスの組かメスの組のどちらかで行われました。
  • 時期と時間帯:2025年4月から8月までの記録です。来園者が入る前の朝8時半から10時のあいだに、1日1回だけ実施しています。
  • 追いかけた相手:生きた獲物ではありません。モーター式の箱で引く仕掛けで、おとり本体は紙のコーンです。天然素材のひもで箱につながれています。
  • おとりの動き:放飼場に12本のガイド用のポールを立て、経路を変えられるようにしてあります。ライオンが道順を覚えてしまうのを防ぐためです。おとりは、あらかじめ決めた14通りのコースのどれかを、奥の境界フェンスに向かって引かれます。まず短く引いて興味を引き、追跡を誘います。捕まえられたら肉のごほうびが与えられます。
  • 測った回数:この6頭による67回の追跡です。67頭ではありません。1回の追跡の長さは、67回の中央値で15.8秒(四分位範囲 12.7〜19.1秒)でした。次の2つは、ライオンではなくおとりの動きをまとめた数字です。おとりが進んだ経路の長さは、67回の中央値で 81.6 m(47.7〜99.7 m)です。おとりの平均速度は、まず1回の追跡ごとに平均を出し、その67個を並べた中央値が 4.55 m/秒(3.52〜5.65 m/秒)でした。ライオン自身が走った距離としては、この数字は示されていません。
  • 撮り方:ドローンで真上から撮影しています。5.4K・毎秒60コマで、高度は地上70 m より上です。カメラは真下を向いています。ライオンを放す前に離陸させ、見た目と音の影響を抑えたと書かれています。

ここは、人の臨床試験とは作りが違います。少し足しておきます。

くじ引きで2つの組に分けた研究ではありません。対照群もありません。ですから、この記事に出てくる比較は「ライオンの組どうし」の比較ではありません。同じ67回の走りに3つの式をそれぞれ当てはめて、どの式が実際の動きに近いかを比べたものです。同じ走りの中で式を比べているので、対応のある比較になります。統計の検定も、1回の走りを1つの単位として行われています(ウィルコクソンの符号順位検定。複数回の比較による見かけの差を抑えるため、ホルムの補正が使われています)。

動きの取り出し方も書いておきます。映像はすべてのコマに AI の姿勢推定ソフトで印を付けています。体に機械を付けずに、映像から体の部位を追う方法です。使った点は3つで、ライオンの頭(耳のあいだ)、背中の中央、おとりの先端です。印付けは外部のデータ注釈の業者が行い、著者がすべてのコマを目で確認しています。木の陰に隠れた区間は、前後の見えるコマと、葉越しの部分的な見え方から推定しています。映像の座標を実際の距離に直すため、ポール、小屋の角、地面の印、フェンスの柱、木など32点を基準にしています。地上の基準点12点は GPS で測りました。地面は平らな面だと仮定しています。位置の時系列は毎秒60コマにそろえ、欠けたところを補い、なめらかにしてから速度と加速度を計算しています。報告されている結果は背中の中央の点によるもので、頭の点を使ってもほとんど変わらなかったと書かれています。

式の当てはめ方が、この研究の肝です。ここを知らないと、結果の意味を取り違えます。著者は、観測されたライオンの速度と、観測されたおとりの位置を入力として与えたうえで、ライオンの進む向きだけを式で更新するシミュレーションをしました。出発点は、実際の最初の位置と向きです。そこから先は、式が決めた向きに従って仮想のライオンを走らせ、できあがった軌跡が本物の軌跡とどれだけ離れるかを測っています。つまり測られているのは、動きの形が式でどれだけ再現できるかです。ライオンが頭の中で何を計算しているかは、この作りでは測れません。

この数字は、何を指しているか

結果を見る前に、目盛りの話をします。ここを飛ばすと、数字を読み違えます。

まず、比べられた3つの式です。どれも「相手の位置の情報から、曲がる速さを決める」形をしています。

  • 相手の方角とのずれを使う式(比例追尾、PP):自分の進む向きが、獲物のいる方角からどれだけずれているかに比例して曲がります。
  • 相手を見る方向の変わる速さを使う式(比例航法、PN):自分から獲物へ引いた線(見通し線)が、どれくらいの速さで回っているかに比例して曲がります。
  • 2つを混ぜた式(PP+PN):上の2つを足し合わせた形です。

この種類の式は「誘導則」と呼ばれ、ホーミングミサイルの誘導に使われてきたと本文に書かれています。記事でこの言葉を出すのは、式の出どころを説明するためです。ライオンがミサイルと同じ仕組みを積んでいる、という意味ではありません。同じ形の式は、これまでハヤブサやトンボ、ハリスホークなどの追跡でも当てはめられてきました。このうち、2つを混ぜた形が見つかっていたのは、空を飛ぶハリスホークの追跡だけでした。地上を走る捕食者で同じ形が当てはまったことが、この研究の新しい点だと著者は書いています。

次に、主役の数字です。位置のずれは、実際のライオンの位置と、式で再現した位置とのあいだの距離です。単位はメートルです。

この「0.64 m」という数字には、二段階のまとめ方が隠れています。まず1回の走りの中で、コマごとのずれを集めて真ん中の値(中央値)を出します。これで67回分の値が並びます。その67個の値の中央値が、報告されている数字です。全部のコマを一度に平均した値ではありません。中央値というのは、小さい順に並べたときの真ん中の値のことです。

数字に添えられている幅にも、注意が要ります。この論文が示しているのは四分位範囲です。67回を小さい順に並べたとき、真ん中の半分がどこからどこまでに入るかを表します。つまり、追跡ごとの値がどれだけばらついたかを示す幅です。推定の不確かさを表す信頼区間ではありません。この2つは別のものです。著者は、モデルのパラメータについて示した範囲についても「誤差の小さい領域であって、信頼区間ではない」と明記しています。この記事では、中央値と四分位範囲を、そのまま文章で示します。

もう一つ、物差しが2つあることも押さえてください。1つめは、いま説明した位置のずれです。2つめは曲がる速さのずれで、単位はラジアン毎秒です。1秒のあいだに向きが何ラジアン変わるか、という量のずれです。ラジアンは角度の単位で、本文には、別の指標である方角のずれ(進む向きが獲物のいる方角からどれだけ離れているか)について「−0.21〜0.09 ラジアン」に「−12°〜5°」という言い換えが添えられています。角度そのものと、1秒あたりに角度が変わる速さは別の量です。そして、位置のずれと曲がる速さのずれという2つの物差しで、式の順位が変わります。そこが、この論文のいちばん面白いところです。

結果を、2つの物差しで見る

1つめの物差し、位置のずれです。67回の走りをまとめた中央値は、混ぜた式(PP+PN)が 0.64 m でした。四分位範囲は 0.41〜1.36 m です。相手の方角とのずれを使う式(PP)は 0.74 m(0.40〜1.53 m)、相手を見る方向の変わる速さを使う式(PN)は 0.84 m(0.41〜2.13 m)でした。「一番よく合った」というのは、この3つの中での順位です。世の中にある式を全部試したわけではありません。

平均も見ておきます。走りごとの中央値を平均すると、混ぜた式 0.97 m、PP 1.02 m、PN 2.81 m でした。PN だけ平均が大きく跳ね上がります。今回の PN について、著者は、一部の追跡で特に大きな誤差が出たためだと説明しています。

順位の差が、どれくらい確かなのかも分けて見る必要があります。

  • 混ぜた式と PN の差:混ぜた式のほうが良かったのは67回中42回で、補正後の p 値は 0.005 でした。著者は、この比較は混ぜた式を強く支持すると書いています。
  • PP と PN の差:PP のほうが良かったのは67回中38回で、p 値は 0.065 でした。
  • 混ぜた式と PP の差:混ぜた式のほうが良かったのは67回中36回です。1回あたりの改善は平均 0.048 m で、p 値は 0.24 でした。著者は「強くは支持しなかった」と書いています。

ここは、言い換えに気をつけるところです。「強く支持されなかった」は「2つの式は同じだった」という意味ではありません。この位置のずれの比較では、混ぜた式が PP より良いという十分に強い証拠は得られなかった、ということです。同じと示されたわけではありません。差があるともないとも、この比較だけでは決められません。

2つめの物差し、曲がる速さのずれです。ここで順位が入れ替わります。PP のずれは中央値 5.53 ラジアン毎秒(四分位範囲 3.89〜9.94)で、PN の 0.58(0.39〜0.82)や混ぜた式の 0.66(0.45〜0.86)と桁が違いました。著者は、選ばれた PP のモデルは、ライオンのハンドル操作の説明としてもっともらしくない、と書いています。

なぜそうなるのかも説明されています。PP の当てはめでは、パラメータ K を大きくしていくと軌跡のずれは下がりますが、およそ 30 /秒 を超えると、それ以上大きくしてもずれがほとんど変わらなくなります。選ばれた K = 36.3 /秒 は、はっきりした最適点ではなく、平らな高原の上にありました。方角のずれを猛烈な速さで打ち消す仮想のライオンを作れば、軌跡だけはよく合います。しかしその代わり、曲がる速さが現実離れした大きさになります。混ぜた式で選ばれた値は K = 0.59 /秒、N = 1.15 でした。

ここまでをまとめると、こうなります。混ぜた式が推されている理由は、位置のずれが一番小さかったからだけではありません。位置と曲がる速さの両方を、同時にそれなりに説明できるからです。ただし、曲がる速さのずれだけを見ると、混ぜた式(0.66)は PN(0.58)よりわずかに大きい値でした。すべての物差しで混ぜた式が最小だった、とは書けません。

当てはまりの悪い場面もはっきり書かれています。混ぜた式の曲がる速さのずれは、符号を付けてみると、多くの距離・速度で中央値が0の近くでした。ただし、これは真ん中の位置が0に近いという話で、一つひとつのずれが小さいという意味ではありません。実際、距離がごく近いときと、速度が低いときにはばらつきが大きくなりました。著者は、捕獲の直前や止まりかけのときには、誘導則による近似が成り立たなくなる状態と見るべきだ、と書いています。

速度の話も、この論文にはあります。ライオンの速度は、目標の速度に向かってゆっくり近づく形の式で当てはめられました。目標の速度を一定とするモデル(M0)より、曲がる負荷(横方向の加速度)が大きいときに目標の速度を下げるモデル(M1)のほうが、はっきり良く合いました(補正後の p 値は 2.3 × 10⁻⁵)。ここまでは、比較のついた結果です。

そのうえで、M1 に獲物との距離による補正を足したモデルが3つ試されています(M2、M3、M4)。この3つのうち、誤差の改善量の中央値がいちばん大きかったのは M4 でした。1回の追跡ごとに速度のずれを平均し、その改善量を67回で比べると、中央値は 0.08 m/秒 です。この改善は統計的に有意とは言えませんでした(補正後の p 値 0.5)。著者は、この検定では距離の補正を足した3つのどれも選べない、と書いています。そのうえで、M4 に当てはめた距離補正の項は、距離 4.84 m のところで最大になり、それより近づくと小さくなる形でした。これは M4 という1つのモデルの当てはめ結果です。距離の補正を入れれば必ずこの山の形になる、という話でも、実測の速度そのものが 4.84 m で最大だったという話でもありません。ただし著者は、この近距離での減速について、コースが必ずフェンスで終わるという実験の作りが生んだ見かけの特徴と、このデータでは区別できていないかもしれない、と書き添えています。67回のうち28回では、ライオンはフェンスに着く前におとりを捕まえていました。

体の性能についての数字も出ています。加速度は、短い窓に区切ってまとめられています。窓の長さは追跡ごとに決めていて、その追跡の加速度の揺れが一番強く出る周期から選ばれました。67回ぶんの窓の長さを並べると、中央値は 0.43秒 です。著者は、この窓は実際の足の着地を特定したものではなく、1歩ぶんの目安として使える区切りだと書いています。この窓でまとめると、速度の98パーセンタイルは中央値 9.08 m/秒、加速度の98パーセンタイルは前向きが 6.01、ブレーキが 6.96、横向きが 5.47 m/秒² でした。98パーセンタイルとは、値を小さい順に並べて98%の位置にくる値のことです。一番大きい1つの値ではなく、上のほうの値を、外れ値に振られにくい形で代表させたものです。ここでも二段階になっていて、まず1回の追跡の中で窓ごとの値をまとめ、その追跡ごとの値を67回でまとめています。そして、走る速度が約5 m/秒 を超えると、横方向の加速度は頭打ちになりました。5 m/秒 は加速度の値ではありません。速度の目盛りの上の位置です。横方向の加速度が速度とともに増えなくなると、速く走るライオンは、ゆっくり曲がるか、大きな弧を描くしかなくなります。年齢や性別を考えに入れても、最高の加速度と速度に意味のある違いは見つからなかったと書かれています。

この研究では言えないこと

一番大事なのは、どこの誰を測ったかです。測られたのは、米国フロリダの観光サファリ施設で飼われている6頭だけです。場所は 1.3 ヘクタールの放飼場、時間帯は開園前の朝、相手は機械で引く紙のコーン、コースは決められた14通り、捕まえれば肉のごほうびが出ます。野生の群れの狩りは、一度も観察されていません。

これは著者が手を抜いたという話ではありません。本文には、ライオンの狩りは行動範囲が広く、主に夜に行われ、いつ起きるか読めないため、野外の観察ではこの細かさの測定ができない、と書かれています。だからこそ飼育下での計測が選ばれています。ただし、そこから出てくる結論も、飼育下での計測に合った大きさにとどめる必要があります。

おとりの動きについても、留保があります。要旨には「不規則に動くようプログラムした」とありますが、本文にある実体は、14通りの決められたコースと、経路を変えるための12本のポールです。同じコースを繰り返した走りのあいだにも、おとりの動きにはかなりのばらつきが残ったと書かれています。著者自身、今後は獲物の逃げる軌跡をドローンで追い、それをおとりのコースと速度に反映させれば、自然な逃げ方のばらつきにもっと近づけられる、と書いています。いまのおとりは、そこまで再現できていないということです。

頭の中の計算は、調べられていません。さきほど書いたとおり、この研究は観測された速度とおとりの位置を入力にして、動きの形を式で再現したものです。認知の過程を測った記載は本文にありません。著者も、古典的な誘導則は追跡中のハンドル操作を記述するための単純なモデルだ、と書いています。ですから「ライオンは計算している」とも「計算していない」とも、この研究からは言えません。分かったのは、動きの形がその式でよく説明できたということです。

著者自身が挙げている留保も並べておきます。

  • 3つの式は、どれも大きな仮定を置いている:ライオンの曲がる速さは、追跡の幾何のうち角度に関わる量だけで決まる、という仮定です。距離や速度そのものは、式に入っていません。
  • 近いところと遅いところでは、式が崩れる:残りの誤差は、ごく近い距離と低い速度でばらつきが大きくなりました。著者は、捕獲の直前や停止しているときは、近似が成り立たない状態と見るべきだと書いています。
  • 位置のずれだけでは、混ぜた式の優位は強く支持されていない:位置のずれの比較では、混ぜた式が PP より良かったのは67回中36回で、補正後の p 値は 0.24 でした。2つの式が同じと示されたわけではありません。混ぜた式を推す根拠は、位置と曲がる速さの両方を説明できる点にあります。
  • 速度のモデルでは、距離の項の要否が決まっていない:M1 に距離の項を足した3つ(M2、M3、M4)の比較では、改善は統計的に意味のある差ではなく、著者は「この検定では(この3つの)どのモデルも選べない」と書いています。これは距離の項を足すかどうかについての話です。曲がる負荷を入れた M1 が、目標の速度を一定とする M0 より支持されたという結果は、これとは別に報告されています。
  • 近距離での減速は、実験の作りのせいかもしれない:コースがフェンスで終わることと区別できていないかもしれない、という留保が付いています。
  • 報告された範囲は、信頼区間ではない:モデルのパラメータについて示された範囲は、誤差の小さい領域を表したものです。1頭ぶんまたは1コースぶんの走りを抜いて当てはめ直す確かめ方もされていますが、これは外れ値を見つけ、順位が大きく変わらないかを見るための定性的な確認として使われています。頭ごと、コースごとの回数のばらつきが大きいためだと書かれています。
  • なぜこの式なのかは、1種だけでは分からない:混ぜた式がライオンの動きをとらえる生物学的な理由は、1つの種からは答えが出せない、と著者は書いています。
  • 速さについて:この研究で観測された最高速度は、別の研究で野生のライオンについて報告されている値より低かった、と著者は書いています。比べられている相手の数字は、この研究が測ったものではありません。

最後に、言い方の話です。「ミサイルと同じ式で説明できた」と「野生のライオンも同じことをしている」は、別のことです。前者は、この67回の走りについて報告されたことです。後者は、この研究では確かめられていません。見出しが強いときほど、どこの誰を、どんな相手に対して測ったのかを探してみてください。

元の論文の、どこを見ればよいか

この論文はクリエイティブ・コモンズ表示(CC BY)のオープンアクセスで、誰でも本文を読めます。この記事には論文の図をそのまま載せていません。数字は本文から書き写しています。読むときの手がかりを置いておきます。

  • 3つの式の形と、位置のずれの数字:Results の「Classical guidance laws model lion steering」の節です。3つの式は節の前半に並んでいます。0.64 / 0.74 / 0.84 m と四分位範囲、平均の 0.97 / 1.02 / 2.81 m は、その少し後ろの段落にあります。図では Figure 4A です。
  • 式どうしの比較の p 値:同じ節の中ほどです。混ぜた式と PN の比較(42/67、p = 0.005)、PP と PN の比較(38/67、p = 0.065)、混ぜた式と PP の比較(36/67、p = 0.24)が続けて書かれています。
  • 曲がる速さのずれ:同じ節の後半と、Figure 4B です。PP のパラメータが平らな高原の上にあるという説明は Figure 4F の話として書かれています。
  • 式が崩れる場面:同じ節の終わりと、Figure 4I、4J です。符号を付けた曲がる速さのずれが、距離ごと・速度ごとにどうなるかが描かれています。
  • 速度のモデル:Results の「Speed is attenuated by turning load and range」の節と、Figure 6 です。M0 から M4 までの式は節の前半に並びます。M1 と M0 の比較、距離の項を足した3つの比較、そして M4 の距離補正が 4.84 m で最大になるという記述は、この順で節の中に出てきます。改善量の比較は Figure 6A です。フェンスについての留保と「67回のうち28回」は、この節のいちばん最後にあります。
  • 加速度の頭打ち:Results の「Peak performance during pursuit」の節と、Figure 3B です。窓の長さと98パーセンタイルの数字は、この節の前半にあります。
  • 対象と実験の手順:STAR Methods の「EXPERIMENTAL MODEL AND STUDY PARTICIPANT DETAILS」(6頭の内訳と施設)と、「METHOD DETAILS」の「Experimental design and data collection」(67回、期間、おとり、14通りのコース、ドローンの設定)です。
  • 式の当てはめ方:METHOD DETAILS の「Model simulations and parameter search」です。何を入力にして何を式で更新したかが書かれています。
  • 統計と「信頼区間ではない」の一文:QUANTIFICATION AND STATISTICAL ANALYSIS の「Statistical comparison and parameter basins」です。
  • 著者の考察:DISCUSSION です。3つの式が置く仮定、他の種との比較、今後の課題が書かれています。
  • データとコード:RESOURCE AVAILABILITY の「Data and code availability」に、追跡データと解析コードの公開先が書かれています。

元の論文はこちらです。Duporge I, Frost H. Quantifying the control laws governing terminal attack in lions. Current Biology. 2026. https://doi.org/10.1016/j.cub.2026.09.018

見方を練習するために

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この回で出てきた読み方は、ライオンの話だけのものではありません。どこの誰を測ったのか。その数字は何と何を比べた順位なのか。物差しを変えても同じ順位になるのか。この3つを順に確かめるクセがつくと、見出しの強さに振り回されにくくなります。下の本は、動物がなぜそう動くのかを、争いや協力といった場面ごとに追える一冊です。

元の論文

Duporge I ら. Current Biology. 2026.
https://doi.org/10.1016/j.cub.2026.09.018

もっと知りたい人へ

『ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ』