動画で話したこと

動画では、市販のウェアラブル端末で集めた歩数から生活リズムの指標を作り、血液検査から作った「老け方」の点数との関連を調べた研究を紹介しました。米国の2,222人が対象で、平均年齢は60.6歳です。

5年ぶんをまとめた解析で、はっきり関連が出たのは日中にどれだけ動いたかのほうでした。日ごとの規則正しさは、オッズ比が0.910、幅が0.756から1.095までで、1をまたいでいます。それなのに要旨には、活動の強さと時刻と「安定性」が老化の道筋と関連していた、と書かれています。

短い動画で話せたのは、ここまでです。

この記事の芯は、そこから一歩進んだところにあります。

この論文で、日ごとの規則正しさは「関係なかった」わけではありません。解析の形を変えると、出たり消えたりします。最初の一時点だけを見た解析では、規則正しさにもはっきりした関連が出ています。変化どうしを突き合わせた解析では、今度は「規則正しいほど老け方の点数が低い」という向きに出ています。著者自身が、この種の指標は「モデルによって出方が変わる」と書いています。

つまり正確な言い方は、「規則正しさは関係ない」でも「規則正しさも関連していた」でもありません。解析の形によって出たり消えたりする程度の強さだった、です。

この記事では、その出たり消えたりを一つずつ並べます。あわせて、誰が残って誰が抜けたのか、この点数が何を測っているのか、そして本文の中でそろっていない箇所を扱います。

誰を、どう選んで、いつ測ったか

くじ引きはありません

まず、いちばん大事なところです。この研究は観察研究です。誰かの生活リズムを変えて試したわけではありません。参加者をくじ引きで分けた場面は、どこにもありません。

ですから、「割り付けどおりの比較」なのか「実際に受けたかで分けた比較」なのかという区別は、この研究には当てはまりません。代わりに区別しなければならないのは、どの形の解析から出た数字なのかです。この論文には、形の違う解析が4つ出てきます。

  1. 最初の一時点(ベースライン)だけを見た解析
  2. 5年後の一時点だけを見た解析
  3. 5年ぶんの繰り返しの測定をまとめた解析(混合効果モデル)
  4. 一人ひとりの「変化」と「変化」を突き合わせた解析

1と2は、人と人を比べています。3は、人と人の比較と、同じ人の中での時間の変化が混ざります。4は、同じ人の中の変化だけを見ます。同じ指標でも、この4つで結果が違うことがあります。実際、この論文ではそうなりました。

3万4千人から、2,222人まで

対象は、米国の All of Us Research Program という前向きコホートの参加者です。米国国立衛生研究所の資金で運営され、18歳以上の人を全米で募り、書面の同意を得て登録しています。解析は保護された研究環境の中で行われ、20人未満の群の人数は公表できない決まりがある、と書かれています。

Fitbit を連携した34,217人から、解析に残った2,222人まで

はじめは34,217人です。自分が持っている Fitbit の口座を研究の窓口につなぎ、記録の利用を許可し、有効な身体計測もあった人たちです。研究のために端末が配られたわけではありません。

ここから、記録の期間中に18歳未満だった人と、装着の条件を満たさなかった人が外れます。有効な装着日は、装着時間が10時間以上あり、なおかつ100歩以上あった日です。さらに、生活リズムを安定して測るために、ある暦年の12か月ぶんの歩数がそろっている人だけが残されました。残ったのは11,698人です。

最後に、血液検査から作った老け方の点数が、有効な記録のある年と対応する形で2回以上そろっている人だけが残ります。これが2,222人です。人数は、はじめのおよそ15分の1になりました(この割り算はこの記事のものです。論文がこの計算を書いているわけではありません)。合計の観測量は8,447人年と報告されています。

自分の Fitbit の記録を提供し、身体計測もそろっていた人34217人
18歳以上で、装着の条件を満たし、ある暦年の12か月ぶんの歩数がそろっていた人11698人
生活リズムの指標と老け方の点数が、複数年そろっていた人2222人

人数だけを表した図です。関連の大きさを表すものではありません。ここで重なっている条件は、18歳以上であること、有効な装着日の条件を満たすこと、暦年ごとに12か月ぶんの歩数がそろっていること、血液検査から作った点数が2回以上そろっていることの4つです。減り方が大きいのは、この4つが重なった結果だと読めます(この読み方はこの記事のものです)。

論文のどこ:論文の Methods の Study participants の節です。流れ図は Supplementary Fig. 7 にあります

ここで大事なのは、最後の2,222人が「端末を持っていて、なおかつ病院の検査記録が複数年ぶん残っている人」だという点です。論文自身がこの点を検討していて、解析から外れた人には次の4つの特徴があったと書いています。

  • より若い
  • 収入が低い
  • 持病が少ない
  • 医療へのアクセスに壁がある(手続き、費用、受診しやすさのどの面でも)

4つ目は、手続き上の壁、費用の壁、受診そのものの壁、という3つの面のどれでもそうだった、という書き方です。3つ目の「持病が少ない」は、見落としやすいところです。検査記録が複数年ぶん残っているということは、その分だけ医療にかかっていたということでもあります。

著者は、受診の状況、医療へのアクセス、追跡期間を追加で調整しても、観察された関連は実質的に変わらなかったと報告しています。そのうえで、この種の選択は「結果の測りやすさ」に効くのであって、関連そのものを作り出しているとは考えにくい、という説明を加えています。

残った2,222人は、どんな人たちか

ベースラインの特徴は次のとおりです。

  • 平均年齢60.62歳(標準偏差14.01)
  • 女性1,522人(68.5%)、男性693人(31.2%)
  • 白人1,839人(82.8%)
  • 大卒以上2,084人(93.8%)
  • 平均 BMI 29.84
  • 1日の平均歩数7,715.83歩
  • 平均睡眠時間6.39時間
  • 収入は、高い人が1,015人(45.7%)、中くらいが669人(30.1%)、低い人が395人(17.8%)、不明が143人(6.4%)
  • 併存疾患の重さの指標が0の人が841人(37.8%)、3以上の人が575人(25.9%)
  • 追跡期間の平均は6.84年(標準偏差2.2)

このうち1,021人(45.9%)が「老化が速い」、1,201人(54.1%)が「老化が遅い」に分類されています。ほぼ半々です。この「半々」は、あとで数字の読み方を考えるときに効いてきます。

5年目には、人数が大きく減ります

年ごとの推移を描いた図には、各年の人数が書かれています。1年目は老化が速い群552人と遅い群726人、3年目は546人と722人、5年目は287人と382人です。

この図の人数には、条件が付いています。1年目から5年目までのうち、2時点以上で同じ分類(速いなら速い、遅いなら遅い)だった人の参加者年だけを数えている、と説明文に書かれています。ですから、この数は「その年の記録が残っている人数」そのものではありません。

そのうえで、5年目の287人と382人を足すと669人になります(この足し算はこの記事のものです。論文が669という数字を書いているわけではありません)。この絞り込みの条件のもとでは、2,222人のうち5年目に残っているのは、そのうちの一部にすぎません。

この人数の減り方は、脱落だけでなく、この絞り込みの条件も含んだものです。

追跡6.84年と、8,447人年

もう一つ、見ておきたい数字があります。追跡期間の平均は6.84年です。一方、報告されている観測量は8,447人年です。

8,447を2,222で割ると、約3.8になります(この割り算はこの記事のものです。論文がこの計算を書いているわけではありません)。平均6.84年追いかけたのに、解析に使えた年は1人あたり約3.8年ぶんしかありません。

これは矛盾ではなく、条件の違いから来ていると読めます。追跡期間は、最初の有効な記録の日から最後の記録の日までの長さです。一方、解析に入るのは「12か月ぶんの歩数がそろい、なおかつその年の血液検査から点数が作れた」暦年だけです。両方がそろわない年は、追跡期間の中にあっても解析には入りません(この読み方はこの記事のものです。論文がこの差について説明しているわけではありません)。

何を調整しているか

表2と表3の脚注に、調整した項目が並んでいます。年齢、性別(出生時)、人種、学歴、収入、就業状況、生涯の喫煙、現在の飲酒、そして既往(がん、心血管疾患、2型糖尿病)です。

表2と表3の脚注の一覧に BMI は入っていません(方法の節には BMI の定義と区分が書かれています)。ベースラインでは、老化が速い群の平均 BMI が31.76、遅い群が28.21で、かなり差があります。

時間とともに変わる交絡(併存疾患、薬の使用、急な健康の悪化)については、別の重み付けを使った感度分析が行われ、結果は一貫したか、むしろ強まったと報告されています。身体活動の時間と睡眠の指標を追加で調整した感度分析では、推定値が「部分的に弱まった」とだけ書かれ、数値は本文にありません。

この数字は、何を指しているか

結果を見る前に、目盛りの話をします。ここを飛ばすと読み違えます。

「老け方」は、血液検査9項目と実年齢から作った点数です

測られたのは PhenoAge(フェノタイプ年齢)という点数です。次の9つの検査値と、実年齢から計算します。

アルブミン、アルカリホスファターゼ、クレアチニン、CRP(炎症の指標)、血糖、平均赤血球容積、赤血球分布幅、白血球数、リンパ球の割合。

この9項目は、米国の大規模調査のデータで死亡を予測するモデルから選ばれたものです。点数は、「その人の死亡リスクが、基準集団の何歳の人の死亡リスクと同じか」を表す形になっています。

検査値は、電子カルテの記録から暦年ごとに取り出されました。単位は元のアルゴリズムに合わせて換算されています。平均から5標準偏差を超える外れ値は、目で確かめたうえで除外されました。

欠測の扱いは、ここを読んでおく価値があります。欠測が2項目までの人は、コホートの平均値で埋められました。そして CRP は、50%を超える人で記録がなく、全体平均が代入されています。9項目のうち1項目が、半数より多い人で「本人の値ではない」ということです。

著者はこの点について感度分析を行っています。別の代入方法(連鎖式による多重代入法)で作り直した点数と、平均で埋めた点数の相関は0.916から0.943でした。生活リズムとの関連も、大きさと向きの両方で代入方法によらず一貫していた、と報告されています。

ですから、著者の感度分析からは、CRP の欠測が結論をひっくり返す穴だとは読めません(この読み方はこの記事のものです)。ただし、9項目の点数のうち1項目が多くの人で実測ではないという事実は、この点数がどれだけ細かいものかを考えるときの材料になります。

「老化が速い」は、同じ年齢の人たちの平均との比べものです

点数そのものではなく、そこから作った ΔAge という値が使われています。PhenoAge を実年齢で回帰したときの残差です。かみ砕くと、同じ実年齢の人たちの平均的な点数と比べて、上にいるか下にいるかを表します。

上にいる人(ΔAge が0より大きい)が「老化が速い」、下にいるかちょうどの人が「老化が遅い」に分けられました。

ここから分かることが2つあります。

1つ目。「老化が速い」群の点数が高いのは、発見ではありません。その定義でグループを作っているので、必ずそうなります。

2つ目。この分け方だと、集団はほぼ半分ずつに割れます。実際、ベースラインでは45.9%対54.1%でした。

なお、PhenoAge と実年齢の相関は0.87と報告されています。

著者自身が、この点数は分子レベルの「体内時計」とは別物だと書いています。血液検査の値をまとめて、体のいろいろな系のバランスの崩れを一つの数字にしたもの、という位置づけです。

生活リズムの指標は、歩数から作られています

材料は Fitbit の歩数の時系列です。10分ごとの値から指標を計算し、月ごとにまとめ、暦年ごとに平均を取っています。

この記事で扱う3つの指標は、次のものです。

  • 最も活動的な連続10時間の平均活動量:日中にどれだけ動いたかの目安です。
  • 活動の山の時刻:24時間の波を当てはめたときの、ピークが来る時刻です。値が大きいほど山が遅いことを表します。
  • 日ごとの規則正しさ:同じ時刻の活動量が日によってどれだけそろっているかを見る指標です。0から1までの値を取り、高いほど日ごとの型がそろっています。

もう一つ、断片化という指標もあります。1日の中で活動と静止がどれだけ細かく入れ替わるかを見るもので、0から2までの値を取ります。論文は、規則正しさをこの2つ(日ごとの規則正しさと断片化)で測ると書いています。この点は、あとで考察の数字を読むときに効いてきます。

活動の波の形そのものを分解した解析(関数主成分分析)も行われています。5分ごとに集計した1日288点のデータを滑らかな曲線として扱い、第4成分までで全体のばらつきの88%を説明したと報告されています。

睡眠の指標(入眠、起床、睡眠効率、昼寝)も Fitbit の記録から作られていますが、こちらは主たる材料ではありません。活動から作った波の成分が、独立に測った睡眠の行動とどう対応するかを確かめるために使われています。

オッズ比と、「1四分位上がるごと」

表2と表3の結果は、すべてオッズ比で報告されています。「老化が速い」に分類される入りやすさが何倍になるか、という形です。

結果の節は「1四分位上がるごと」と書いています。すべての指標を4つのグループに分けたうえでモデルに入れています。

ここで、論文の中で書き方がそろっていません。方法の節には、すべての指標を四分位のグループに分けたうえでモデルに入れ、係数は「参照群との差」を表す、と書かれています。一方、結果の節は「1四分位上がるごと」と書いています。前者は4つの箱を参照の箱と比べる形、後者は段階を連続的に1つ上げる形で、同じではありません。

論文の表には0.537のような1つの値しか載っていないので、この0.537が「最上位の四分位と最下位の四分位の比」なのか、「一段階あたりの比」なのかは、本文だけでは決められません(この指摘はこの記事のものです。論文がこの食い違いに触れているわけではありません)。どちらであっても向きは変わりませんが、大きさの受け取り方は変わります。

もう一つ。オッズ比は、起こる割合が半分に近いとき、リスク比(何倍起こりやすいか)とかなり離れた値になります。この研究では「老化が速い」がベースラインで45.9%、つまりほぼ半分です。ですから、0.537を「46%の人が減る」と読むことはできません(これは論文が書いていることではありません。オッズ比という指標の性質です)。

そして、本文の地の文には絶対の数字がありません。「100人のうち何人が何人になる」という形の数値は書かれていません。予測確率を描いた図はありますが、値は文章に出てきません。

結果を、幅で見る

5年ぶんの繰り返しの測定をまとめた解析(表3)の結果から見ていきます。動画で出した3本と同じ数字です。

5年ぶんをまとめた解析。1四分位上がるごとのオッズ比と、その幅

まず横の目盛りを見てください。縦に立っている線が1です。倍率の指標なので、ここが「差のない位置」になります。丸が推定値、横に伸びる棒がその幅です。

いちばん上が、日中の活動量です。丸は0.537のところ、棒は0.442から0.652まで。棒の全体が1より左にあります。論文はこれを46.3%低いオッズと書いています。p 値は3.62かける10のマイナス10乗です。

真ん中が、活動の山の時刻が遅いことです。1.221で、幅は1.015から1.468まで。こちらは1より右にありますが、下の端の1.015は1のすぐ近くです。p 値は0.034でした。論文は22.1%高いオッズと書いています。

いちばん下が、日ごとの規則正しさです。0.910で、幅は0.756から1.095まで。1をまたいでいます。p 値は0.319でした。論文自身が、これを「有意でない9%の低下」と書いています。

ここで、下の行の幅の両端を見てください。0.756は4分の1ほど低い向き、1.095は1割ほど高い向きにあたります。このデータは、そのどちらの可能性も残したままです。だから「関連がない」ではなく「決められなかった」が正しい読み方になります。

日中の活動量(最も活動的な10時間の平均)0.537(0.442 〜 0.652)
活動の山の時刻が遅いこと1.221(1.015 〜 1.468)
日ごとの規則正しさ0.91(0.756 〜 1.095)
差がない位置1

差がない位置は1です。倍率の指標なので、0ではなく1に線が引かれています。1より小さいと「老化が速い」に入りにくい向き、1より大きいと入りやすい向きです。値はすべて、ほかの項目(年齢、性別、人種、学歴、収入、就業、生涯の喫煙、現在の飲酒、がん・心血管疾患・2型糖尿病の既往)を調整したあとのものです。BMI は調整項目に入っていません。この図の部品は各行に「幅は1をまたいでいる/いない」と自動で表示しますが、これは目盛りとの位置関係を機械的に書いたものです。またいでいるという表示は「関連がないと確かめた」という意味ではありません。

論文のどこ:論文の Table 3 と、その前後の Results の段落です

同じ表には、ほかの指標も並んでいます。日中の活動量と同じ「強さ」の系統の指標は、どれも同じ向きに出ています。

  • 活動の波の第1成分(日中の活動量の大きさを表す成分):0.631(0.526〜0.757)、オッズが36.9%低い
  • 24時間の平均活動量:0.576(0.475〜0.699)、オッズが42.4%低い
  • 波の振れ幅:0.598(0.494〜0.723)、オッズが40.2%低い
  • 相対的な振れ幅:0.735(0.610〜0.884)、オッズが26.5%低い
  • 最も活動的な10時間の平均活動量:0.537(0.442〜0.652)、オッズが46.3%低い

要旨にある「26〜46%」は、この5つのうち相対的な振れ幅(26.5%)から日中の活動量(46.3%)までの範囲です。強さの系統の指標だけの範囲であって、論文全体の結果の範囲ではありません。

一方、幅が1をまたいだ指標もいくつかあります。

  • 最も活動的な10時間の開始時刻:1.060(0.878〜1.279)
  • いちばん静かな5時間の開始時刻:1.082(0.899〜1.302)
  • 断片化:0.872(0.723〜1.053)、p 値0.155
  • 日ごとの規則正しさ:0.910(0.756〜1.095)、p 値0.319

つまり、5年ぶんをまとめた解析ではっきり出たのは「どれだけ動いたか」の系統と、活動の山の時刻の2つだけということになります。

規則正しさは、解析の形によって出たり消えたりする

ここがこの記事の軸です。

要旨は、こう書いています

要旨には、生活リズムの強さ、時刻、そして安定性が、老化の道筋と関連していた、と書かれています。「安定性」は、本文でいう日ごとの規則正しさのことです。

ところが、5年ぶんをまとめた解析の結果を書いた文は、こうです。規則正しさが高まることは、有意でない9%のオッズの低下と関連していた。オッズ比0.910、95%信頼区間0.756から1.095。

同じ論文の中で、要旨は「関連していた」と書き、本文は「有意でない」と書いています。

では、規則正しさは関係なかったのか

そう言い切ることもできません。解析の形を変えると、結果が変わるからです。

日ごとの規則正しさ。同じ指標を、3つの解析の形で見る

3本とも、同じ「日ごとの規則正しさ」という1つの指標の結果です。測っているものも、調整している項目も同じです。違うのは解析の形だけです。

いちばん上が、最初の一時点だけを見た解析です。0.889で、幅は0.820から0.964まで。1をまたいでいません。p 値は0.004でした。

真ん中が、5年後の一時点だけを見た解析です。0.879で、幅は0.768から1.006まで。推定値はいちばん上とほとんど同じなのに、上の端が1.006で、わずかに1を越えました。p 値は0.061です。

いちばん下が、5年ぶんの繰り返しの測定をまとめた解析です。0.910で、幅は0.756から1.095まで。はっきり1をまたいでいます。p 値は0.319でした。

3つの推定値は0.879、0.889、0.910です。ばらばらに動いたわけではありません。動いたのは幅のほうです。下に行くほど幅が広がり、1をまたぐようになります。

ここから読めるのは、「関連が消えた」ではありません。同じ向きの推定が、解析の形によって、はっきり言い切れたり言い切れなかったりする、ということです。この3本のうち、幅が1をまたがなかったのは、いちばん上の1本だけです。要旨は「安定性も関連していた」と書いていますが、どの解析に基づくかは書かれていません。

最初の一時点だけを見た解析0.889(0.82 〜 0.964)
5年後の一時点だけを見た解析0.879(0.768 〜 1.006)
5年ぶんの繰り返しをまとめた解析0.91(0.756 〜 1.095)
差がない位置1

差がない位置は1です。3本とも同じ指標(日ごとの規則正しさ)で、同じ向き(値が小さいほど「老化が速い」に入りにくい)です。違うのは解析の形だけです。上の2本は一時点だけを見た解析、いちばん下は5年ぶんの繰り返しの測定をまとめた解析です。調整項目はどれも同じです。3本を並べて比べているのはこの記事で、論文がこの3本を1つの図にしているわけではありません。この図の部品は各行に「幅は1をまたいでいる/いない」と自動で表示しますが、これは目盛りとの位置関係を機械的に書いたものです。

論文のどこ:論文の Table 2(ベースラインと5年後)と Table 3(5年ぶんをまとめた解析)です。文章では、Table 2 の直後の段落と、Table 3 のある段落に同じ数値があります

3つの推定値は0.879、0.889、0.910です。向きは3つとも同じで、大きさもほとんど変わりません。変わったのは幅のほうです。

4つ目の解析でも、向きは同じです

さらにもう一つあります。一人ひとりの「変化」と「変化」を突き合わせた解析です。ベースラインから5年後までの生活リズムの指標の変化と、老け方の点数の変化を計算し、前者で後者を説明する回帰を行ったものです。

この解析では、日ごとの規則正しさが高まることが、老け方の点数の低下と関連していたと報告されています。向きとしては、規則正しさが上がるほど点数が下がる、つまり「良い方向」です。ここまでの3つと向きは同じで、この形の解析では関連が報告されている、ということです。

ただし、この結果の数値は本文にありません。推定値も幅も補足の表にあり、この記事が参照した本文からは確かめられません。ですから、この4つ目の結果については「そういう向きの関連が報告されている」までしか言えません。どれくらいの大きさで、どれくらい確かなのかは、この記事では扱えません。

同じ解析では、いちばん静かな5時間の開始時刻が遅れることが、老け方の点数の上昇と関連していた、とも書かれています。

著者自身が、「モデル次第だ」と書いています

論文の考察には、はっきりこう書かれています。

時刻と安定性の指標は、強さの指標に比べて、モデルによって出方の差が大きい。相対的な振れ幅と日中の活動の開始時刻は混合効果モデルで浮かび上がり、規則正しさといちばん静かな5時間の開始時刻は変化どうしの解析で浮かび上がった。これはモデルの設定に対する感度の高さと整合し、これらの指標がより文脈に依存する、個人内の過程を反映している可能性を示す。

ここで一つ、付け足しておきます。この文は「日中の活動の開始時刻は混合効果モデルで浮かび上がった」と書いていますが、5年ぶんをまとめた解析の表では、この指標のオッズ比は1.060で、幅は0.878から1.279まで、1をまたいでいます。この指標の幅が1をまたがなかったのは、5年後の一時点だけを見た解析のほう(1.149、1.001から1.318)です(この突き合わせはこの記事が表から行ったものです。論文がこの点に触れているわけではありません)。

著者は、その理由についても書いています。時刻や規則正しさの指標は効果の大きさがもともと小さく、分布の端のほうで関連が強く出る非線形な形をしていることが多い。そして現実の生活では、仕事の予定や社会的な時間、環境の要因に左右される、と。

もう一か所、結果の節にも説明があります。横断では一貫した関連があるのに縦断で有意でなくなるのは、「人と人の違い」と「同じ人の中の変化」が別物だからで、指標によっては同じ人の中での時間的なばらつきが小さく、縦断で関連を検出しにくいことがある、という書き方です。

まとめると

  • 最初の一時点だけを見ると、規則正しさにはっきりした関連が出ます
  • 5年後の一時点だけを見ると、推定値はほぼ同じですが、幅の上の端がわずかに1を越えます
  • 5年ぶんをまとめると、幅は1をはっきりまたぎます
  • 変化どうしを突き合わせると、また「良い方向」の関連が報告されます(数値は本文になし)

「規則正しさは老け方と関連していた」と言い切ることも、「規則正しさは関係なかった」と言い切ることも、この論文の中身に合いません。正確なのは、解析の形によって出たり消えたりする程度の強さだった、という言い方です。

日中にどれだけ動いたかを表す「強さ」の系統の指標は、こうはなりません。表2と表3のどちらの形の解析でも向きは同じで、幅が1をまたがない場面がほとんどです。ただし、強さの系統の中にも例外が1つあります。相対的な振れ幅は、5年後の一時点を見た解析で幅が1をまたぎます(相対的な振れ幅のオッズ比0.889、0.776〜1.019、p 値0.093)。この0.889は、すぐ上の図で見た規則正しさの0.889とは別の指標の数字です。値がたまたま重なっているだけです。同じ論文の中に、強さの違う2種類の結果が同居しているということです。

本文の中で、そろっていないところ

この論文には、本文どうしで数字や言い方がそろっていない箇所がいくつかあります。誤りだと決めつけるためではなく、要旨や考察のまとめだけを読んで受け取ると、表の中身と違う印象になることを見るために並べます。

考察の「9〜13%」

考察の最初の段落には、こうまとめられています。生活リズムの強さが高いことは26〜46%低いオッズと、規則正しさが高いことは9〜13%低いオッズと、時刻の遅れは22%高いオッズと関連していた。

3つが同じ形で並んでいます。ところが中身は同じではありません。

  • 26〜46%:相対的な振れ幅の26.5%から日中の活動量の46.3%まで。どれも幅が1をまたいでいません
  • 22%:活動の山の時刻が遅いことの22.1%。幅は1.015から1.468で、1をまたいでいません
  • 9〜13%:9%は日ごとの規則正しさの0.910にあたります。同じ論文の結果の節が、これを「有意でない」と明記しています

では13%はどこから来たのでしょうか。表3の中から、1から引いて13%前後になる値を探すと、断片化の指標の0.872が見つかります。1から0.872を引くと0.128、つまり12.8%です(この照合はこの記事が表の数字から行ったものです。論文が「13%は断片化の指標だ」と書いているわけではありません)。そしてこの指標の p 値は0.155で、幅は0.723から1.053です。こちらも1をまたいでいます。

この2つを「規則正しさ」としてまとめること自体は、論文の方法の節に沿っています。規則正しさはこの2つの指標で測る、と書かれているからです。

問題はそこではありません。幅が1をまたいでいない指標の範囲(26〜46%、22%)と、どちらも1をまたいでいる指標の範囲(9〜13%)が、同じ文の中で、同じ書き方で並んでいることです。考察のこの一文だけを読むと、3つとも同じ確からしさの結果に見えます。

性別ごとの数字

性別で分けた解析の結果は、本文の2か所に出てきます。そして、この2か所が食い違います。

結果の節には、活動の山の時刻が遅いことは、男性で12%、女性で18%高いオッズと関連したが、統計的に有意だったのは女性だけだった、と書かれています。

考察の節には、女性では活動の山の時刻の遅れと休息の開始の遅れが12〜18%高いオッズと関連した、と書かれています。同じ「12〜18%」が、一方では男女の別、もう一方では女性の中の2つの指標の範囲として書かれています。

どちらを採るべきか。この記事は、結果の節の書き方を採ります。理由は2つあります。1つは、結果の節が解析そのものを報告する場所で、どの指標か、どちらの性別か、有意だったかを全部書き分けていること。もう1つは、考察の文が「活動の山の時刻」と「休息の開始の遅れ」の2つを一緒にまとめているため、数字と指標の対応が結果の節より粗いことです。

ただし、どちらが正しいかは、この記事では確かめられません。元の数字は補足の表にあり、この記事が参照した本文には信頼区間もありません。

性別で分けた解析については、ほかにこう書かれています。強さの指標は男女とも同じ向きで、男性では15〜30%、女性では22〜40%低いオッズと関連した。規則正しさが高いことは女性で15%低いオッズと関連し、男性では統計的に有意な関連を示さなかった。この15%については、結果の節と考察の節で食い違いはありません。

なお、著者は考察の別の場所で、この集団は男性の人数が少なく、そのぶん検出力が下がっていたと考えられる、と書いています。

表2の信頼区間が、中心とずれます

表2の5年後の欄に、活動の波の第2成分の結果があります。オッズ比0.974、95%信頼区間0.853から1.169。

この幅の中心を計算すると約0.999になります(この計算はこの記事のものです。倍率の指標なので、0.853と1.169を掛けて平方根を取りました)。推定値の0.974と、幅の中心の0.999がずれています。

信頼区間は普通、推定値を中心に置いた形になります。ずれている理由は本文からは分かりません。幅が1をまたいでいる指標なので、この記事の結論には影響しません。ただ、表の数字は必ずしも互いに整合しているとは限らない、という例として挙げておきます。

表1の人数が、合いません

表1の学歴の欄には、大卒以上が2,084人(93.8%)、高校卒または同等の資格が119人(5.4%)とあります。足すと2,203人で、全体の2,222人に19人足りません。表に注記はありません。

方法の節を見ると、学歴は「大卒以上」「高校卒または同等」「不明またはその他」の3つに分けたと書かれています。表に載っているのは、そのうち2つだけです。

そして、この論文は「20人未満の群の人数は公表できない」という規則の下で書かれています。19人は20人未満です(この結び付けはこの記事の読みです。論文が「19人は公表方針で伏せた」と書いているわけではありません)。

同じ表の性別の欄でも、1,522人と693人を足すと2,215人で、7人足りません。こちらには脚注があり、男性でも女性でもない区分は同じ方針で伏せられた、と説明されています。

「1四分位上がるごと」の書き方

すでに触れたところですが、ここにも入れておきます。方法の節は「四分位のグループに分け、参照群との差として係数を示す」と書き、結果の節は「1四分位上がるごと」と書いています。同じ0.537という数字の単位が、論文の中で2通りに説明されています。

この研究では言えないこと

変えて試した研究ではありません

いちばん大きな限界です。著者自身が、観察研究なので、この結果は関連として解釈すべきで因果ではない、と書いています。逆の因果も否定できない、とも書いています。

日中によく動く人のほうが、老化が速いほうに分類されるオッズが低かった。これは、よく動くからオッズが低いのか、体の状態が良いからよく動けるのかを、この研究では分けられません。

同じことが規則正しさにも当てはまります。この記事は「生活リズムを整えれば老けにくくなる」とは書きません。この論文は、その問いに答えられる形をしていません。著者は、そこは今後の介入研究で確かめられる、という書き方をしています。

測ったのは、老化そのものではありません

結果として測られたのは、血液検査9項目と実年齢から作った点数の変化です。老化そのものでも、病気でも、寿命そのものでもありません。

著者はこう書いています。ΔPhenoAge は、生理的な老化の道筋を表す長期的な表現型の指標として解釈するのであって、生物学的な老化の速さの決定版の指標として解釈するのではない。点数の変化は、本当の生理的な変化を映しているかもしれないが、短期の個人内のばらつき、検査が行われた時期、測っていない交絡の影響を受けている可能性もある。

また、点数のもとになる検査値は電子カルテから取られています。著者は、通常の診療の外で行われた検査は十分に捉えられないかもしれない、という限界も挙げています。そのうえで、これまでの研究が電子カルテのデータから生物学的な年齢の指標を推定できることを示しており、この方法の信頼性を支えている、とも書き添えています。

曝露は、歩数からしか作られていません

生活リズムの指標は、すべて歩数の時系列から計算されています。著者は、Fitbit の歩数は自転車や筋力トレーニングのような歩行以外の活動を過小評価しうる、と書いています。また、日ごとの装着の条件では、1日の中で端末を外していた時間帯までは捉えられない、とも書いています。今後は生の加速度のデータを使うべきだ、というのが著者の書き方です。

この研究は、スマートウォッチの睡眠スコアが正確かどうかを調べたものではありません。睡眠の指標は作られていますが、活動から作った波の成分が睡眠の行動とどう対応するかを確かめる目的で使われています。睡眠判定の精度を検証した記述は、本文にありません。

誰に当てはまる話か

2,222人は、女性68.5%、白人82.8%、大卒以上93.8%です。自分で Fitbit を持っていて、その記録を研究に提供し、なおかつ病院の検査記録が複数年ぶん残っている人たちです。

ここで、著者の限界の書き方と、この解析集団の中身が合いません。著者は限界の最初に、Fitbit のデータがあるこのコホートは「若く、女性が多く、白人で、大卒の参加者が中心だった」と書いています。ところが、この2,222人の平均年齢は60.62歳です。

この文には引用番号が付いていて、同じ引用番号は次の文(この集団の中高年は全国平均より活動的だった、という記述)にも付いています。つまり、この「若い」は、元の All of Us の Fitbit 集団についての記述で、今回の2,222人のことではないと読めます(この読みはこの記事のものです。論文がこの食い違いに触れているわけではありません)。女性が多いこと、白人が多いこと、大卒が多いことは、今回の集団にもそのまま当てはまります。

ただし、ここで「だから当てにならない」と結論しないでください。著者は同じ段落で、こうも書いています。この比較的健康で活動量の多い集団でも、生活リズムと老け方の点数の間に頑健な関連が観察された。このことは、もっと座りがちな集団や、臨床的に脆弱な集団では、さらに強い関連がありうることを示唆する、と。

つまり、この集団の偏りは、結果を打ち消す方向の話ではなく、「別の集団ではどう出るか分からない」という話です。著者は、より多様なコホートでの検証が必要だと書き添えています。

補足の表にしかない数字が多くあります

この記事で扱えなかったことを書いておきます。

  • 変化どうしを突き合わせた解析の推定値と幅
  • 性別で分けた解析の信頼区間
  • 時間とともに変わる交絡を扱った感度分析の数値
  • 身体活動と睡眠を追加調整したときに、どれだけ弱まったかの数値

どれも補足の表にあり、この記事が参照した本文からは確かめられません。「部分的に弱まった」「一貫していた」という言葉だけがあり、数値がない箇所は、そのことを書いたうえで扱わないのが安全です。

資金と利益相反

この記事が参照した本文には、資金と利益相反の節が含まれていません。分かるのは、元になったコホートである All of Us Research Program 自体が、米国国立衛生研究所の資金で運営されているということだけです。この研究そのものの資金源と利益相反については、この記事では何も言えません。

この記事が言わないこと

最後に、はっきり書いておきます。

  • この記事は「生活リズムを整えると老けにくくなる」とは言いません。観察研究です
  • この記事は「日ごとの規則正しさは意味がない」とも言いません。解析の形によって出たり消えたりします
  • この記事は、生活の仕方についての助言をしません
  • この記事は、ウェアラブル端末を勧めるものでも、勧めないものでもありません

元の論文のどこを見ればよいか

元の論文は、次のとおりです。

Shim J ら. Longitudinal digital phenotyping of activity rhythms and biological aging using commercial wearables. Nat Commun. 2026.

DOI のリンクはこちらです。https://doi.org/10.1038/s41467-026-76147-6

この記事で扱ったことが、論文のどこにあるかを並べておきます。

  • 34,217人から2,222人までの絞り込みと、8,447人年:Methods の Study participants の節。流れ図は Supplementary Fig. 7
  • 有効な装着日の定義(10時間以上、100歩以上):Methods の Fitbit data acquisition and processing の節
  • 血液検査9項目と実年齢からの計算、CRP の欠測と平均の代入:Methods の Biological age estimation の節
  • 同じ年齢の人たちの平均と比べて「老化が速い」を決める手順:同じ節の後半
  • 生活リズムの指標の定義(日中の活動量、活動の山の時刻、日ごとの規則正しさ、断片化):Methods の Assessment of circadian rest-activity rhythms and functional principal components の節
  • 四分位に分けたこと:Methods の Statistical analysis の節の終わりのほう
  • 2,222人の内訳(年齢、性別、人種、学歴、収入、BMI、歩数、追跡期間):Table 1 と、Results の Baseline characteristics の節
  • 年ごとの人数(1年目、3年目、5年目):Fig. 3 の説明文
  • 最初の一時点と5年後の結果:Table 2 と、その前後の段落。規則正しさの2つの値は、表の直後の短い段落にまとまっています
  • 5年ぶんをまとめた解析の結果:Table 3 と、その前後の段落。規則正しさが「有意でない9%」と書かれているのは、表の直前の段落の最後の文です
  • 変化どうしを突き合わせた解析:表3と同じ節の中の、Within-person analyses で始まる段落(数値は Supplementary Table 4)
  • 性別で分けた結果:Results の性別層別の段落(数値は Supplementary Table 2)と、Discussion の性別についての段落
  • 考察の「9〜13%」:Discussion の最初の段落
  • 解析の形によって出方が変わるという説明:Discussion の2段落目
  • 除外された人の特徴:表3と同じ節の後半にある感度分析の段落と、Discussion の医療へのアクセスについての段落
  • 代入方法を変えた感度分析:表3と同じ節の後半にある感度分析の段落と、Discussion の欠測についての段落
  • 限界:Discussion の Several limitations warrant consideration で始まる段落
  • 要旨と本文の食い違い:要旨の本文(intensity, timing, and stability)と、Table 3 の規則正しさの行を、並べて読んでください

見方を練習するために

この回の芯は、たった一つです。

要旨の言葉と、本文の表の数字を、突き合わせること。

この論文の要旨は、生活リズムの強さと時刻と安定性が老化の道筋と関連していた、と書いています。嘘ではありません。最初の一時点だけを見た解析では、安定性にもはっきりした関連が出ているからです。

でも、5年ぶんをまとめた解析の表では、同じ指標の幅が1をまたいでいます。そして論文自身が、それを「有意でない」と書いています。

要旨は、たくさんの解析の中から、要旨に載せるものを選びます。選ぶ、という操作がある以上、選ばれなかったほうを見に行かないと、全体は分かりません。この論文は、選ばれなかったほうを本文にきちんと書いています。だから突き合わせができます。

これは統計の難しい話ではありません。要旨で強く書かれている言葉を1つ選び、その指標が載っている表を探し、幅を見る。それだけです。

この見方に一番近い本として、『統計でウソをつく法』を挙げておきます。数字そのものではなく、数字の見せ方で印象がどう変わるかを扱った本です。同じデータから、強い言い方も弱い言い方も作れてしまう。その仕組みが分かると、要旨と表のあいだにある距離が見えるようになります。この記事のページでは、この書名にアフィリエイトのリンクを付けています。

最後にもう一度だけ書いておきます。この記事は、生活リズムについての助言ではありません。ここで扱ったのは、一つの論文の中にある数字の幅と、その読み方だけです。

元の論文

Shim J ら. Nat Commun. 2026.
https://doi.org/10.1038/s41467-026-76147-6

もっと知りたい人へ

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『統計でウソをつく法』